イギリス発祥のいくつかのレスリング・スタイルの一つである。
ランカシャー地方で盛んだった事から「ランカシャースタイル」とも呼ばれた。
そのスタイルは、関節技、絞め技も含み、その歴史は古く、
おそらく数百年……さらに古くからのものかもしれない。
「キャッチ・アズ・キャッチ・キャン」という名称は、
もともと、ランカシャー地方の
「つかまえられるものならつかまえてみろ!」
「やれるものならやってみろ!」という意味の、いわば“方言”が、
そのまま競技名となったものである。
そして、このキャッチ
アズ キャッチ キャンがアメリカに渡り、
近代プロレスのルーツに、さらにはオリンピックのフリースタイルになっていったのである。
そのスタイルは「フィジカル・チェス」という言葉で言い表すことができる。
要は肉体を使ったチェスのようなものだ、ということだ。
パワーではなく、知識と技術、そして戦術で相手を追い込み、コントロールする。
それが、キャッチ・アズ・キャッチ・キャンの真髄である。
 |